「絵本を1万冊も読み聞かせるなんて、本当に可能なの?」
多くの人がそう感じるかもしれません。ですが実際には、毎日の小さな積み重ねで十分に達成可能な数字です。
例えば、1日3冊の読み聞かせを続ければ1年間で約1,000冊。10年間で1万冊を超える計算になります。しかも、これは特別な家庭だけができることではなく、誰でも取り入れられる現実的な方法です。

我が家も0歳0カ月の頃から「読み聞かせ一万冊」を目標に
現在も一日~20冊絵本を読み聞かせています
この記事では
- 「1万冊」がなぜ現実的な目標なのか
- 習慣として無理なく続けるための工夫
- 絵本との出会いを広げる具体的な方法
- 親のモチベーションを保つコツ
- 読み聞かせがもたらす教育効果
についてまとめています。
1. 「1万冊」という数字

「1万冊」と聞くと、途方もない数に思えるかもしれません。ですが、数字を分解するとその現実味が見えてきます。
- 1日1冊 → 1年間で365冊
- 1日3冊 → 1年間で1,095冊
- 10年間続ければ 10,950冊
つまり、「1日3冊」という小さな目標を積み重ねるだけで、10年後には自然と1万冊に到達するのです。
さらに絵本は文章が短く、1冊にかかる時間は数分程度。寝る前の読み聞かせや、日中のちょっとした時間に読むだけでも十分に達成できます。教育的な視点で言えば、「数の目標を持つこと」で習慣化がしやすくなるのが大きなメリットです。
「1万冊」という数字は、単なるゴールではなく「日常的な読書習慣」を育むための通過点に過ぎません。
幼児期だけで「1万冊」を目指すなら?
「10年かけて1万冊」でも十分ですが、仮に幼児期(0〜6歳)だけで達成するならどうなるでしょうか?
- 幼児期を「6年間」とすると → 1万冊 ÷ 6年 = 約1,667冊/年
- 1年365日で割ると → 約4.6冊/日
つまり、毎日5冊前後 読めば、就学前に1万冊を達成できる計算になります。
「5冊なんて大変そう」と思うかもしれませんが、絵本は1冊数分で読めるものも多く、短い作品を組み合わせれば現実的に可能です。
- 朝食後に1冊
- お昼寝前に1冊
- 遊びの合間に1冊
- 夕方のリラックスタイムに1冊
- 寝る前に1冊
このように生活リズムの中に「小さな読み聞かせタイム」を組み込めば、1日の中で自然に5冊前後を読むことができます。
また、同じ絵本を繰り返し読むことも「読み聞かせの質」を高める大切な要素です。1万冊を目指すといっても、新しい絵本ばかりにこだわる必要はなく、「お気に入りを何度も読む」ことも十分に価値があります。
2. 習慣化のコツ

1万冊を目指すうえで大切なのは、続けられる仕組みをつくることです。
(1) 時間を決めてルーティン化
寝る前に必ず1冊読む、朝の支度前に1冊読む、など時間を固定すると習慣になりやすいです。歯磨きと同じように「絵本を読むのが当たり前」というリズムを作りましょう。
(2) 絵本を身近に置く
リビングや寝室に本棚を置き、すぐに手に取れる状態にしておくと「読むハードル」が下がります。子どもの手が届く高さに置くと、自分から持ってくるようになります。
(3) 忙しい日は短い絵本でOK
分厚い絵本を無理に読む必要はありません。1ページが大きなイラストで構成された絵本なら数分で読めます。「1日3冊」のうち1冊を短い絵本にすれば負担が減り、継続しやすくなります
(4) 記録をつける
読み聞かせた冊数をアプリやノートに記録して「見える化」すると、達成感が得られます。100冊・1,000冊と節目ごとにお祝いすると、親子のモチベーションが持続します。
我が家もこの方法を取り入れています。将来「自分はこんなにたくさんの本と出会ったんだ!」という記録は、子どもにとって大きな自信や誇りにつながると信じています。
数字や記録が形に残ることで、単なる読み聞かせの積み重ねが「自分の成長の証」になるのです。受験や勉強のモチベーションが必要なときに、「自分には本を読む力がある」という自己肯定感を支えてくれることもあるでしょう。
さらに親にとっても、読み聞かせの記録は「一緒に歩んできた時間の証拠」。写真やアルバムと同じように、家族の思い出の一部になります。
3. レパートリーを増やす工夫

毎日3冊、10年も続けるとなると「読む絵本がなくなるのでは?」と不安になる人もいます。ですが、工夫次第で新しい絵本との出会いは無限に広がります。
(1) 図書館を活用
図書館は最大の味方です。定期的に通って新しい本を借りることで、飽きることなく続けられます。借りた本の中から「これは繰り返し読みたい」と思うものを購入するのもおすすめです。
そしてなんといっても利用料が無料。これほど豊富な絵本を、好きなだけ借りられるサービスは他にはありません。特に人気の名作絵本は新品で買うと1,000円以上することもありますが、図書館なら気軽に試せます。
また、図書館の絵本コーナーには司書さんのおすすめや季節ごとの特集コーナーが設けられていることも多く、「自分では選ばなかっただろう本」との思いがけない出会いがあります。こうした偶然の出会いが、読み聞かせの幅をぐんと広げてくれるのです。
さらに子どもにとっても、図書館は「本と触れ合う場所」として特別な体験になります。自分で本を選び、借りて、返すというプロセスは、絵本以上に大切な「本との付き合い方」を自然に学ぶ機会になります。
(2) 古本屋やフリマアプリ
古本屋の100円コーナーや、フリマアプリなどのまとめ売りはコスパ抜群。予想外の名作に出会えることもあります。

(3) 季節やイベントに合わせる
クリスマス、ひなまつり、夏休みなど、行事に合わせた絵本を選ぶと特別感が出ます。季節の絵本は子どもの記憶にも残りやすいです。
(4) SNSや口コミを参考に
「#おすすめ絵本」で検索すると、同じ子育て世代の生の声が見つかります。
4. 親のモチベーション維持
子どもが小さいうちは喜んで聞いてくれますが、大きくなるにつれて「もういい」と言う日も出てきます。そんなときに大切なのは「親自身が楽しむ」ことです。
- 読み聞かせ記録を家族アルバムに残す
- インスタやブログで「今日の3冊」を投稿する
- 読んだ絵本の感想を簡単にメモする
「やらされている」から「一緒に楽しむ」へと視点を切り替えることで、長期的に続けやすくなります。
もし子どもが絵本を読んでくれなかったら?
そんなときは無理に聞かせようとしなくても大丈夫です。
まずは親が楽しんで読む姿を見せること。子どもは親が楽しんでいるものに自然と惹かれていきます。たとえ子どもが横で遊んでいても、親が声を出して読んでいれば、耳にはしっかり届いているのです。
実際、我が家でも「今日は読まない」と言ったのに、しばらくすると横から覗き込んできて「やっぱり読んで」となることがありました。強制するのではなく、雰囲気を楽しむことが大切です。
また、読み聞かせは「必ず正面に座って集中して聞くもの」と決めなくても構いません。子どもが寝転んでいたり、おもちゃを触っていたりしても、物語のリズムや声のトーンは心に残ります。
大事なのは「完璧に聞かせること」ではなく、「絵本が日常に溶け込んでいる状態」を作ること。親が自然に楽しんで読んでいれば、子どもはいつの間にかその空間を共有するようになります。
5. 読み聞かせ1万冊がもたらす未来

1万冊という数は子どもの成長に大きな意味を持ちます。
- 語彙力・表現力の土台が広がる
- 集中力・聞く力が育つ
- 親子のコミュニケーションが深まる
- 「本は生活の一部」という価値観が自然に身につく
特に「本好きな子どもに育つ」効果は絶大です。小学生以降の学習に直結する力を、自然に育むことができます。

まとめ
絵本を1万冊読み聞かせることは、決して特別な家庭だけができることではありません。
1日の小さな積み重ねを、数年間続けるだけで自然と達成できる現実的な目標です。
- 習慣化の仕組みをつくる
- 絵本のレパートリーを広げる工夫をする
- 親自身も楽しみながら続ける
この3つを押さえれば、親子にとって絵本は「学び」と「思い出」の宝物になります。
今日からぜひ、1万冊に向けた一歩を踏み出してみてください。

